綾部市は京都府北部に位置し、由良川が市街地を流れています。光明寺や照福寺、岩王寺、私市円山古墳、安国寺といった重要な文化財が数多くあります。室町幕府を開いた足利尊氏は、上杉荘(安国寺町)で誕生したと伝えられています。ここ綾部は、尊氏公の生母清子の実家上杉氏の発祥の地であり、その氏寺である景徳山安国寺には、産屋の跡やその傍らに産湯の井戸が残されています。また、安国寺境内には、今も母清子と妻登子のお墓と並んで、尊氏公のお墓が祀られています。尊氏公は、夢窓疎石の勧めで南北朝の争乱に殉じた人々の霊を供養するため、全国六十余州に安国寺利生塔を建立し、その筆頭に丹波安国寺を置き京都十刹の寺格を得て、丹波、越後、日向等全国に荘園を領し、一時は塔頭十六、支院二十八を持ち繁栄しました。現在でも、安国寺は国の重要文化財、府、市指定文化財の仏像や古文書等を数多く所蔵しています。